骨髄ドナーの続き その6
諸君、Nero大佐だ!
骨髄ドナーとなって、最終合意してから各種日程が決まる。
それに合わせて自己血の採取を行うのだ。
基本的には血液の消費期限(と、言って良い物か・・)が21日間となっている。
その上、採血間隔が1週間以上あけるそうなので、単純に逆算すると手術日から1週間以上前で
3週間以内の間に2回の採血を行う事になる。
それらも済ませ、いよいよ決行日となり前日に病院へ入院した。
前日入院は、様々な説明や最終的な血液検査などを行うためであり、
実際、採血から麻酔科医の説明、オペ室担当看護師からの説明など、
入れ替わりで色々な人がやってくる。
まぁ、原則「個室」に入るので、さほど問題ではない。
一通り、説明が済めばあとはすることがない。
談話室で本やマンガを読んだり、売店などへ行っても大丈夫だ。
手術は明日の午後かららしいので、前日の夜中(0時)から絶食、当日朝9時からは
飲み物も禁止になるらしい。
しっかり夕飯を食べて、翌日の手術に備えた。
翌日(2日目)は朝から水分補給の意味で点滴を打つ。
今回は「うつぶせ」での手術ともあって、麻酔は点滴ラインから入れるらしい。
午前中、ダラダラとベットで過ごした後、午後になって看護師が手術の時間と告げに来る。
手術室までは「自分で歩いて行く」のだが、なんか変な気分だ。
手術室前でオペ担当看護師とバトンタッチされ、中へ入る。
自分からベットに寝て、各種センサーを取り付けられるが、とても手術をする様な
感じではなく、なんかの精密検査と錯覚してしまう。
麻酔を入れるとの合図があったが、気が付いたら手術が終わっていた。
(まぁ、普通そうだろう・・・)
幹細胞量が多かったらしく、予定量より少ない採取だったそうだ。
術後は麻酔から完全に覚醒するまでは送管されているらしく、気が付いたら
普通に目が覚めた感じで、酸素マスクだけになっていた。
以前、手術した経験があるのだが、その時は麻酔が覚めてもうつろな感じで
ハッキリと覚醒するまでは時間が掛かった記憶があるが、今回のは本当に
寝起きって感じで目が覚めた。
確か13時半頃に手術室に入ったのだが、15時半には部屋に戻ったらしい。
そして18時の夕飯は普通に食べたので、まわりがビックリしていた。
(この辺りは軍人なわではであろう・・・)
食後も特に変わりなく順調だったが、寝る前に用を足したときに軽い吐き気と
冷や汗が出てきて、自分でも驚いたがそのまま床につき休んだ。
丁度、採取部位に2~3センチほどの厚みに折ったガーゼを当てており、
自分の体重で圧迫止血している状態になるのだが、それがちょっと痛い・・・
というか変な筋肉痛な感じになる。
腰をグリグリする健康器具を腰にあてがったまま寝てしまった感じに似ている。
そんな状態なので、眠りも浅く何度となく目が覚めたが、最終的には横になって
痛みも和らぎ、眠ることが出来た。
翌日は(3日目)、採取部位のチェックをし止血も問題ないので、ガーゼから
パッチに変わった。
無理しない程度に動いて良いとの事で、早速売店まで行ってコーヒーを飲む。
今日1日は、安静にとの事なのでベットの上でごろごろしていた。
4日目は朝から採血を行い、その結果を見て退院が確定する。
結果は特に問題なく、無事退院となった。
後日は、術後検診を行う予定だ。
コーディネーターに聞くと、私の骨髄は無事に先方に届き提供されているらしい。
その人の1日も早い回復を願うばかりだ。
今回、思いがけず骨髄ドナーとなり提供することになったが、
個人的には、出来る範囲でしか出来ないのだから、それが役に立ち、望まれるので
あれば、やらない理由はないと思う。ましてや人の命を救う事など、しようと思っても
医師でない限り出来ないのである。
今回の件で色々な人と話をしたが、殆どの人が「背骨に針を刺すから痛いのでは?」という
事を気にしていた。
実際は全身麻酔だし、刺すのも腸骨であるので背骨には刺さない。
人それぞれと言ってしまえばそれまでだが、出来るのであれば登録者数(分母)を増やすことで
該当者が見つかりやすくなるのは当たり前である。
諸君も機会が有れば骨髄バンクに登録してもらいたい。
尚、匿名提供・享受の為特定した日付を記載出来ない。
今回の記事日付が提供日時と全く関係の無い事を許してもらいたい。
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